投稿日:2024年1月26日
患部を温めた方がよいの?
冷やした方が良いの?
患者様からよく聞かれる質問です。
これはなかなか難しい質問なのです。
何のために冷やすのでしょうか?
それは『腫れを軽減させるため』・『痛みを緩和させるため』です。
冷やすことによって、冷やした患部の血管が収縮し血行が悪くなります。
それによって炎症を拡大する物質(白血球から出るサイトカイン)を集まりにくくして、炎症による腫れと発痛物質の産生を阻害する効果が期待できます。
誤解してはいけないのですが『炎症』という反応は組織を治すためには必要な反応です。
サイトカインによって炎症が拡大し、集まってきたマクロファージが壊れた組織を取り除いて、新しい組織を構築することによって治癒に向かいます。
しかし、過度な炎症による腫れは逆に患部の血行を阻害してしまいます。(パンパンになった水風船に新しく水が入りにくいのと同様に)
また、ある程度までの炎症反応があれば、それ以上炎症が強くなっても修復速度に違いは無くなってきます。
上記の急性炎症反応は、比較的大きな急性のケガに限られます。(強めの捻挫、打撲など3日以内)※骨折や脱臼ほど大きなケガではもう少し期間が長引きます。
慢性のケガは組織の修復には足りないくらいの小さな炎症が続いていきます。
ここまで書くと「じゃあ、ガンガン冷やした方が良いじゃん!」って思うのですが、組織を治すためには色々な材料が必要になります。
たとえば、コラーゲン組織、酵素、栄養素、酸素・・・。
これらは血液によって運ばれてきます。
血行が良くないと治す反応も遅くなって、治すための材料も不足します。
結論から言いますと、急性の何もしなくてもズキンズキン痛む状態のときは冷やします。
急性期(3日間ほど)が過ぎて組織を治す時期は温める。
寝違えや、強めの腰痛くらいであればしっかりと温めた方が直りは早いと思います。
また慢性的な症状でも温めることにより血行を促進し、炎症反応を進ませたほうが治りやすくなります。
肩コリ腰痛は温めてください。
もし、ご自分で判断が出来ない症状であればご連絡くださいね!